フジ [花]
前回は園芸種の“白毫寺の九尺藤”のご紹介でしたが、
今回はその数日後に山で撮った“フジ”です。
このたおやかな花の色、美しい・・・。
と藤の花の女子力の高さに騙されてはいけません。
彼女はかなりしたたかなのです。
(したたかとは強かと書きます)
彼女は自立しません。
他の木に寄りかかり、絡みつき、陽の当たる上へ上へと伸び
あげくに宿主を引き倒してしまう。
あな恐ろしや藤娘の正体!
以上は自立もできず女子力もない招き猫のフジに対する偏見にすぎません。
冬の山でパチパチとはぜる音に上を向くと顔に何かが当たります。
ボタンのような丸くて平たいフジの種です。
上へ上へと登り、高い所で実を結んで遠くへ遠くへ子らをはじき飛ばす。
強い母の力を感じたりもします。
白毫寺の九尺藤です。
根本はこんなに立派なのに、この高さでは満足できず、ツルを伸ばすフジ。
香りも強く虫たちを多く集めます。
・・・一句詠みたいところですが圧倒されるばかりです。
丹波・白毫寺の藤の花 [花]
花や木・苔などの植物を名物とするお寺がありますが
あれは何ででしょう。
お釈迦様のお誕生日4月8日を“花祭り”と言うし、
花とお寺の関係は
人を集めるために境内の花を見せ
仏の教えを広めるためだけではないように思い
少し調べてみました。
「植物は厳しい自然の中で耐え抜き美しい花を咲かせる。
その姿が厳しい修行に耐え悟りを開く仏教の教えに重なる」
との考えからのようです。
そんな意味を知らずに、
ただ花の美しさに惹かれて集まった多くの善男善女がここにいます。
せっかくの良い機会ですからお坊さんたちもここで
ちょっとお説法をして下さってもいいのにねぇ。
と思った招き猫でした。
もう藤の花も散ってしまいました。
次は沙羅(夏椿)の花でしょうか。
泰山木の良い香りも頭の中をよぎっていきます。